2018年8月26日日曜日

VII. 静脈麻酔を使ったインプラント手術



VII. 静脈麻酔を使ったインプラント手術   ~ストレスのない手術のために

静脈麻酔とはどういったものでしょうか?

静脈麻酔(静脈内鎮静法)は、手術の際の不安や恐怖を和らげるために、点滴でお薬を静脈に入れながら手術をする方法です。安全性の高い緩和精神安定剤や静脈麻酔薬を使用します。
人間ドックなどで行なわれている胃カメラなどの内視鏡検査のときに、ご経験されている患者さんもいらっしゃると思います。
全身麻酔と違って手術中に意識をなくすことはありませんが、うたた寝しているような状態をお薬によって継続させています。また、これらのお薬には「健忘」という効果があり、手術時のことはほとんど記憶に残りません。

感覚的には、気づかないうちに手術が終わっているような感じなのでしょうか。

手術の状況や患者さんの状態によって多少感じ方は違うかもしれませんが、術後にお話を伺うと、ほとんどの方はなにも覚えていないようです。術中もストレスなく手術を受けられていますね。




手術が怖いと感じるひとにはいいですね。

そうですね。でも手術に対して不安や恐怖心がある方だけではなく、多くの方にメリットがある方法です。
インプラント関連の手術は、30分以内に終わるものもあれば、2時間近くかかる場合もあります。
長い時間、お口をあけているのは大変ですよね。
また処置によっては、音や振動が患者さんに伝わり、それを不快に感じてしまう患者さんもいます。普段の歯科治療は大丈夫な患者さんでも、手術になるとストレスを感じてしまうこともあります。静脈麻酔では、手術中のストレスをほとんど感じませんので、長時間お口を開けていても大丈夫です。

他にどのような方が、静脈麻酔を受けられていますか。

特に血圧の高い患者さんは、静脈麻酔を必ず行なうようにしています。高血圧の治療をされていても、手術のストレスで血圧が安定しないことがあるためです。また心疾患など、外科処置に対してリスクが高い患者さんには必須となります。
静脈麻酔では、執刀医とは別に歯科麻酔科の先生が担当します。侵襲が大きいインプラント手術の際に万が一、患者さんの身体の状態が急変したとしても緊急処置を行なえます。

信頼できる歯科麻酔科医の先生にお願いしていますので、大学病院で行なっていた治療と同じことができるので、治療をする側としてもとても安心感がありますね。
患者さんのインプラント手術への気持ちの面でのハードルをとても低くできる処置だと思います。

注意事項はありますか?

静脈麻酔で使用する薬が手術後も身体に残っていますので、手術当日に車などの運転はできません。また、手術中に嘔吐してしまうと、気道が詰まって窒息してしまう可能性があり、危険です。ですので、術前の飲食制限はしっかり守って頂く必要があります。
その他、お飲みになっている薬やお身体の病気が麻酔に影響する可能性もあります。術前に、担当医へご説明ください。



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執筆者略歴
歯科医師(東北大2002年卒)・歯学博士(東京医科歯科大2006年修了)
公益社団法人日本口腔インプラント学会専門医日本口腔インプラント学会 関東甲信越支部・東京


静脈麻酔(静脈鎮静法)によるインプラント関連手術
治療方法
主にインプラント治療に必要な併用手術等について説明します。
利点
・手術の不安や恐怖をやわらげて、安心なインプラント治療を受けて頂けます。
・高血圧や心疾患などの全身疾患がある患者さんへのインプラント手術が可能になります。
・嘔吐反射など、通常の歯科診療が難しい患者さんに対しても行なえます。
欠点(注意事項)
・現在、服用している薬や全身疾患が麻酔に影響する場合もあります。術前に、全ての事項を担当医にお伝えください。
・点滴部位の腫脹、内出血、痛み、しびれが出ることがあります。
・薬剤により呼吸を抑制することがあります。
・術後の合併症として、悪心、嘔吐、眠気、ふらつき、めまい、発熱、呼吸器合併症等を発症することがあります。
・術前の食べ物と飲み物の制限が正しく行われなかった場合、手術を当日中止することがあります。
・手術当日は車・バイク・自転車等の運転はできません。
費用について
しおさい歯科クリニックでの治療費用概算です)
1手術につき ¥55,000-(税別)